八十八夜とは、立春(2月4日ごろ)から数えて88日目にあたる日のことです。日本の伝統的な暦のひとつで、農業や茶業の大切な節目とされています。毎年、5月1日または2日ごろにあたります。
八十八夜の意味と由来
- 「八十八」という数字は「米」という漢字を分解すると「八十八」になることから、稲作に縁起の良い日とされています。
- この頃を過ぎると霜の心配が少なくなり、種まきや茶摘みの目安になるため、農作業の始まりとして重視されてきました。
新茶と八十八夜
- この日に摘まれたお茶は「初摘み」「八十八夜の新茶」と呼ばれ、特に縁起が良いとされます。
- 新茶はうま味や香りが豊かで、**健康に良いとされる栄養素(カテキン・テアニンなど)**が多く含まれています。
唱歌『茶摘み』にも登場
「夏も近づく 八十八夜〜♪」
という歌い出しで知られる日本の童謡『茶摘み』は、この季節の風景や茶摘みの様子を歌っています。
新茶の特徴
- 収穫時期: 4月中旬~5月上旬(地域により異なる)
- 味わい: 渋みが少なく、まろやかで旨みが強い
- 香り: 草のような爽やかな“若葉の香り”
- 色合い: 明るく澄んだ緑色
新茶の効能
新茶は摘みたてなので、栄養が豊富です。
成分 | 効果 |
---|---|
カテキン | 抗酸化作用・抗菌作用 |
テアニン | リラックス効果・集中力向上 |
カフェイン | 覚醒作用・疲労回復 |
ビタミンC | 美肌効果・免疫力アップ |
新茶の選び方・楽しみ方
- 保存は冷暗所で:光や湿気に弱いため、密閉して保存
- 淹れるお湯はぬるめに:70〜80℃で淹れると旨みが引き出されます
- 産地で味が違う:静岡、鹿児島、宇治などで個性があり、飲み比べも楽しい
縁起物としての新茶
- 「八十八夜に摘んだ新茶を飲むと一年無病息災」と言われ、贈り物や季節の挨拶にも使われます。